世界にひとつのかがやき 琵琶パールアクセサリーの魅力に迫る

こんにちは。市民ライターの @ori-hime です。
今回は、ふるさと納税の返礼品に登録されている「琵琶パールアクセサリー」についてご紹介します。
目次
こんな人にオススメ!
● アクセサリーが好きな方
● 琵琶湖について興味のある方
● SDGsや環境問題に興味のある方
● なにか始めたい方
みなさんは、琵琶湖で真珠(パール)が作られているのをご存じですか?
この真珠は琵琶パールと呼ばれています。
琵琶パールやその元となる母貝のイケチョウガイを素材として、
アクセサリーを制作する澤薫さんにお話をうかがいました。
小学生と中学生の子を持つ二男のママでもある澤さん、
当日は、琵琶パールアクセサリーが誕生する自宅兼工房で取材をしました。
澤 薫さんのご紹介
澤薫さんは、生まれも育ちも米原市。歯科衛生士の仕事をしながらアクセサリーの制作をしています。
子どもたちが学校から帰ってくるまでの貴重な時間を使って制作にうちこみます。
澤さんはデザインやアクセサリーの技術を学ぶ学校へは行っていません。全てがオリジナルです。
工房にある道具は、歯科医院で使う道具を自分で改良をして使っています。貝殻を切り出すところから金具をつけるまで全工程をひとりで行います。
県内外のブース出展やマルシェ、毎年10月に滋賀県長浜市である「アート・イン・ナガハマ」といった地域のイベントにも参加されるほかにも琵琶湖の真珠の普及につとめています。
それでは、琵琶パールの魅力について深掘りしていきましょう。
澤 薫さんに聞いてみました
ーーアクセサリーを作るようになったきっかけは?
澤さん(以下、澤):元々、細かい作業が好きで歯科衛生士の専門学生時代、学校の近くにアクセサリーのパーツなどを扱うショップができて友達と行くようになったことからです。趣味の一環としてアクセサリーを作るようになりました。
結婚、出産を経てもう一度、作りたいと思いましたが、インターネットが発達しなんでもモノがあふれる時代、なにか人と違ったことができるのだろうかと考えていた時に偶然出会ったのが「琵琶パール」でした。このとき琵琶湖で真珠が作られていることを初めて知りました。
淡水パールは、白くて丸いイメージがありますが、琵琶パールは、ピンクやオレンジがかった自然な色、形もまん丸ではない。 キレイだなぁと思いました。そして、「求めていたのはこれだ!」と琵琶湖のパールをアクセサリーにすることになりました。
琵琶湖の真珠は「伝説の真珠」
琵琶湖では1930年、イケチョウガイによる真珠の養殖に成功、1946年から琵琶湖の内湖で本格的な養殖が始まりました。 琵琶湖の真珠はヨーロッパで人気が高く「伝説の真珠」とよばれていたそうです。
1970年代には、6トン超の生産量、40億円超の売上がありましたが、1980年代中頃になると、外来種の水草「オオカナダ藻」が大量に繁殖して貝のエサになるプランクトンが大幅に減少します。
2008年の真珠の生産量は15kgにまで落ち込み琵琶湖の生態系は大きく変化していきました。そんな琵琶湖をとり巻く環境もあり、当時、琵琶湖の真珠の知名度は、決して高いものではありませんでした。
澤さんが齋木産業(株)の「琵琶パール」の存在を知ったのは2015年頃、滋賀県がもう一度、琵琶湖真珠の再生に向けて取り組んでいる時期と重なります。
琵琶湖の真珠でアクセサリーを作りたいと思った澤さんは、「琵琶パール」の生産者、齋木勲さんの元へ足を運びました。
ーー生産者 齋木さんの反応は?
澤:琵琶パールをアクセサリーとして使いたいと生産者の齋木さんに伝えましたが反応は意外と厳しいものでした。
「ハンドメイドの世界は知らん。」など厳しい言葉を受けましたが、齋木さんから分けてもらったイケチョウガイを持ち帰り、真珠の核が入っていない自然な貝にひかれ、これを広めたいと心に決め、何度も齋木さんの元を訪れました。
「私にまかせて!琵琶湖の真珠を広めるから!」と熱意を伝え、ハンドメイドで琵琶湖の真珠を取り扱わせてもらうこととなりました。
それから9年、齋木さんは第二の両親のような存在に…。コロナ禍もありましたが、3ヶ月に1度は齋木さんの元を訪れます。新作ができると齋木さんに「こんなのができたよ!」とプレゼントをしたりすることもあるそうです。
澤さんのお人柄が良好な関係を築いたのでしょう。現在、澤さんは県内外の出展活動で琵琶湖の真珠を広めています。琵琶パールを通じて生産者の思いも作品に吹き込んでいます。
米原市ふるさと納税返礼品について
ーーふるさと納税の登録のきっかけは?
澤:知人の助言から。滋賀県で琵琶湖のものを扱っているものなら‥。とすすめてくださいました。
滋賀から発信するだけではなく、ふるさと納税のサイトを通じて作品を見てもらい米原市のことも知ってもらえるならぜひと思い登録をしました。
1点ものなので色や形はそれぞれ微妙に違います。ピアスは、1組、1組、選んでペアに組んでいます。
当初は、まったく同じものを提供できないことが気になっていましたが、全く同じものはないことを良さとしてとらえ、返礼品には「同じものはひとつとありません。」と記しています。そして、「一度お越しください!」とメッセージをいれています。
澤さんの返礼品を求める方は関東の方が多いそうです。澤さんはふるさと納税がきっかけで出展の案内をされると、「旅行と思って行ってみようかな…。」と会話になったことがあるそうです。
ふるさと納税をしていなかったら全国の人に見てもらっていない。気軽に新幹線で訪れ、伊吹でそばを食べて四季折々の景色を見て感じてもらいたいと思っているそうです。
ーーどんなアクセサリーがふるさと納税の返礼品になっていますか?
澤:アイテムとしては、イヤリングやピアス、ネックレス、指輪です。琵琶湖の真珠の「琵琶パール」と母貝のイケチョウガイでつくっています。アクセサリーにもいろいろありますが、装飾や加工をほどこすというより素材を生かしてつくることに重点をおいています。
形に丸が多いのは、気軽につけてもらいたいからです。真珠といえばフォーマルなイメージがありますが、仕事にもつけていけるアクセサリーを作りたいと思っています。
身につけてナンボです。普段づかいのできるサイズ感があって個性的で他とは違ったものを意識してつくっています。
琵琶湖の固有種「イケチョウガイ」に魅せられて
澤さんによると、真珠は形が限られていて広げることが難しい一方、貝はいろんな形ができるそうです。
琵琶湖の固有種「イケチョウガイ」の貝殻を見せていただきました。
大きさはのひらより少し大きく、外側の表面は黒くゴツゴツとしていて、裏は白っぽい光沢のある色をしています。貝を切り分け、貝殻の表と裏の両面を削りアクセサリーにします。
表面の黒い部分を磨くといくつかの真珠層ができて、つるつるしたオーロラのような輝きが現れたところがイヤリングになります。内面の部分は、金具をつける面になるそうです。
黒い面が裏側、白い面が表側になると思っていましたが全くの逆でした。
琵琶パールの母なる貝「イケチョウガイ」は琵琶湖固有の貝です。アコヤガイとは違って、1つの貝に複数の真珠が入っています。かたちも球体ばかりでなく平らなものもあります。
また、養殖期間も長く、アコヤ真珠が 1 年程度なのに対して琵琶パールは3年かかるのです。澤さんはこのイケチョウガイの魅力にハマっています。
貝殻のSDGs
ーー真珠をとった後の貝殻はどうなるのですか?
澤:昔は捨てていたそうです。「捨てるならちょうだい!」と、イケチョウガイの貝殻をもらってきました。これがイケチョウガイのアクセサリーのはじまりでした。
強い貝もあれば薄くて弱い貝もあります。強い貝は厚みもありツヤがあります。
強い貝を作るには琵琶湖の環境が大切で真珠をつくるためには貝が元気じゃないとダメなんです。
小さなことかもしれませんが、ゴミを捨てないことや一人ひとりの意識が環境問題につながることだと思い、イベントの出展会場でも来場の方に話しています。
「琵琶パール」と琵琶湖固有種の「イケチョウガイ」の輝きを見いだしている澤さん、琵琶湖の真珠を通じて琵琶湖の環境保全にも協力をされています。
ーー今後はどんなことに力を入れていきたいですか?
澤:作るアクセサリーのアイテムや扱う貝の種類はそのままにアフターケアに力を入れていきたいです。貝は変わらないが金具はくすんでしまいます。今までアクセサリーを求めてくれた人々へのケアにも力を入れていきたいです。
技術は日々変化しています。昨日より今日、今日より明日。手作業の効率も上がってきました。
SNSで知り合った貝削りの仲間にも教えてもらうこともあります。人とのつながりは大切だと思います。
最後に
取材の最後に琵琶パールの魅力についておたずねました。
澤さんは、個性的な色やかたち、生産者さんの思いが詰まっているものだと語ってくださいました。 素朴な琵琶湖の真珠「琵琶パール」、廃棄されていた貝殻の「イケチョウガイ」にスポットをあてた澤薫さんに光り輝くものを感じました。
いろんな人の思いが詰まった「琵琶パールアクセサリー」をみなさんも手に取って見てください。
返礼品のご案内
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米原市 まち整備部 シティセールス課
ふるさと納税担当
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ハンドメイドアクセサリー作家 kaoru_sawa
滋賀県米原市樋口
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