蔵元に聞いた!滋賀県米原市の地酒「花乃伊吹」の味わいと 地酒づくりの魅力‼

みなさん、こんにちは!米原市民ライターのほりのうちです。
今回お届けするのは、米原市の地酒として誕生し、ふるさと納税の返礼品に登録された「花乃伊吹」についてです。

実りの秋を感じる10月上旬、「花乃伊吹」を製造している酒蔵の佐藤酒造株式会社を訪問しました。
そこで、造り手である佐藤硬史さんから貴重なお話を聞かせていただきました。

米原市ふるさと納税 花乃伊吹イメージ写真
純米吟醸 花乃伊吹|ふるさとチョイス
ミネラル豊富な伊吹の水と米原産吟吹雪の特徴を引き立て、芳醇な米の旨みとキレの良い後味をお楽しみ頂けるお酒。
“https://www.furusato-tax.jp/product/detail/25214/5840339”

こんな人にオススメ!

● 日本酒が好きな方
● 地酒について知りたい方
● 地域おこし、まちづくりに興味がある方
● 人と人との繋がりを大切に思う方

佐藤硬史さんのご紹介

佐藤さんは、滋賀県長浜市のご出身です。大学を卒業後、酒造会社に勤務されていました。その後、広島の酒類総合研究所で研究生として日本酒を学び、2010年9月に佐藤酒造株式会社を設立され、今年で13年目を迎えられました。
2015年3月には、日本航空ジャパンプロジェクト滋賀に採用され、羽田空港のJALダイヤモンドプレミアラウンジで佐藤さんのお酒が提供されました。

日本酒専門品評会「ロンドン酒チャレンジ2019」では、最高位「プラチナ賞」受賞、世界の女性ワイン専門家のみが評価する「フェミナリーズワインコンクール2021」金賞受賞、世界最大規模の最高権威に評価される酒類品評会「インターナショナルワインチャレンジ2023」にてシルバーメダルを受賞するなど高い評価を受けています。

ふるさと米原の味「花乃伊吹」について聞いてみました!

ーー「花乃伊吹」とは、どのようなお酒ですか?

佐藤さん(以下、佐藤):「花乃伊吹(はなのいぶき)」は、地酒の持つ魅力を活かした米原ゆかりの地酒をつくろうと、米原市商工会が主体となって、令和2年2月に「米原地酒プロジェクト」が発足し、令和3年4月に完成した地酒です。今年で第4期目に入ります。

「純米吟醸 花乃伊吹」
製造本数:3,800本(火入れ酒 2,800本 新酒しぼりたて1,000本)
容量:720ml 価格:1,650円(税込)
純米吟醸酒 酒米:「吟吹雪」米原市産 アルコール:16.5度

ーー「純米吟醸 花乃伊吹」の原料、風味や特徴を教えてください。

佐藤:米、米麴、水、を原材料とし、精米歩合が60%以下のお米を使用した日本酒を純米吟醸酒と言います。
「花乃伊吹」は米原市で育った酒米「吟吹雪(ぎんふぶき)」と伊吹山の伏流水を使用し、グラスに注ぐと、ほっとするようなほど良い果実香を感じ、口あたりは優しく芳醇な旨みと心地よい余韻につながる味わいです。やや琥珀色をしていて透明感があり、とてもきれいです。

ーーアルコール度数も純米吟醸酒の呼び方に関係していますか?

佐藤:アルコール度数は、特に関係ないですよ。「花乃伊吹」は17.5~18度ぐらいでお酒が出来上がります。その後、飲みやすくする為に16.5度まで水をたして調整します。

ーーお米は契約農家さんに作ってもらっているのですか?

佐藤:「花乃伊吹」に使用する酒米は、契約農家の中川さんに「吟吹雪(ぎんふぶき)」と言う品種を作ってもらっています。
「吟吹雪」は、滋賀県原産の酒米でお酒に適した酒造好適米であるため、食用には適していません。お米の周囲のたんぱく質があるものは食べると美味しいですが、発酵には、たんぱく質が邪魔をします。これが精米を必要とする理由です。
精米をしてたんぱく質を削り、米の中心にある「心白(しんぱく)」をどのぐらい残すかを決めます。「花乃伊吹」では「吟吹雪」を40%ほど磨いています。

「花乃伊吹」のプロジェクトについて聞いてみました!

ーー「花乃伊吹」のプロジェクトに関わることになったきっかけを教えてください。

佐藤:最初に、米原市の商工会さんからお声がけを頂きました。米原市は、米どころではあるけれど醸造所が無い中で、地元の魅力を伝えるツールの一つとして地酒が欲しいとのことでした。そうした要望を受けて、米原市内で作ったお米と伊吹山の伏流水を使用した地酒をつくることになりました。

ーープロジェクトを進めるにあたって大変だった事、楽しかった事はありますか?

佐藤:今まで山田錦の酒米を使ってお酒を造ってきました。「吟吹雪」の酒米でお酒をつくることは、初めての試みでした。そこで、県内で「吟吹雪」を使いお酒をつくっている方に話を聞き、いただいたアドバイスをもとに、酒米を水に浸ける時間や蒸す時間などを調整しながらお酒造りに挑みました。
苦労もありましたが、初めて使う酒米でのお酒造りだったので、「どんな風に出来上がるか」という楽しみの部分が大きかったです。

ーー伊吹山の伏流水と酒米の相性が良いのでしょうか?

佐藤:相性は良いと思います。水はお酒造りに大きく影響しますから。もちろんお米も大事ですが、お酒を発酵させるには、お米の1.4倍ぐらいの水を使うので、水の良し悪しが最後まで影響します。伊吹山の伏流水は、ミネラル分が多いので熟成させるとさらにお酒がよくなります。

ーー水を1.4倍も使うのであれば、水質がかなり重要ですね?

佐藤:水の中の栄養分が、お米の発酵に影響します。水の中に鉄分が含まれると良いお酒はつくれません。発酵する時の栄養分になるミネラルが豊富であり、不純物が少ないことが大切です。伊吹山の伏流水はその条件を見事にクリアしています。滋賀県はお酒づくりの環境に恵まれていますね。

ーー佐藤さんがおすすめする「花乃伊吹」の美味しい飲み方を教えてください。

佐藤:「花乃伊吹」は、そのままでも熱燗にしてもどちらでも美味しいですよ。もし熱燗にするのであれば、人肌ぐらいの37~38度で飲むと旨味と風味がでます。
お酒の味は、舌のどこにお酒が触れるかで感じ方が変わります。お酒用の専門的な器を使うとより一層、お酒本来の味を楽しんでいただけますが、お好きな器で楽しんでいただくのが一番だと思います。

ーーお酒の味には、その土地の料理や風土が影響しますか?

佐藤:そうですね。郷土料理とお酒は深く関わっていると思います。小鮎の佃煮や伊吹大根の煮つけ、鮒ずしなど滋賀の郷土料理は、しっかりした味が多いです。地酒は、郷土料理に合わせて作られてきた歴史があります。
素材をそのまま味わう料理には、やわらかく軽快な味を出す軟水で造られたお酒を、濃厚な料理には、芳醇で厚みのある味わいを出す硬水で造られたお酒が適しています。ぜひ試してみて下さい。

佐藤さんに地酒の魅力を聞いてみました!

ーー佐藤さんが思う地酒の魅力について教えてください。

佐藤:大学を卒業してから、まちづくりに関わってきたことがあり、まちを元気にしたいと思っていました。日本酒メーカーにずっと勤めていたので、日本酒をつくることで地域を活性化し、発展に貢献できないかと考えました。地酒には、3つの魅力があると感じています。
1つ目は、パッケージについてです。お酒のパッケージから商品の説明まで地域色を感じることができます。そのため、地酒を県外へ持って行くことで、自然とその地域を紹介することができます。地元を発信するツールとして地酒の持つ力にはとても魅力があるのです。
2つ目の魅力は、人と人とを繋ぐ力です。パッケージを元に地域の特徴や魅力を知ってもらい、そのお酒を酌み交わすことでいろんな人と親しくなれます。
3つ目として、お酒ができる工程にも魅力があります。日本酒は、お米を発酵させて造りますが、普段口にして慣れ親しんでいるお米からなぜこんな味が出せるのか、みなさんは不思議に思われませんか。お米の「発酵工程」は米のでんぷんを糖に変え、その糖をアルコールに変える作業が同時に進む並行複発酵という「神秘的な」プロセスが進み、このバランスを管理する事で果実のような香りが生まれ美味しいお酒に仕上がるのです。

ーー佐藤さんのお酒づくりのこだわりについて教えてください。

佐藤:お酒づくりは、手間ひまをかけるほど出来栄えに反映されます。それはまるで子育てに似ています。
日本酒は、最初の原料処理(精米後お米を洗い、麴造り、発酵初期の段階のこと)が最も重要で、麹の育成、米の吸水率、発酵のための温度管理など手間を惜しみません。
お米の発酵が始まると、温度管理を徹底しながら、もろみ発酵後半はできるだけお酒にとって過酷な状態において見守ります。もろみ発酵前半は15度くらいで管理し、完成まで残り数日となった頃をみて、徐々に10度~7度まで温度を下げて、酵母が滅びないギリギリの状態にします。
この過程を経て日本酒のフルーティーな香りは生まれ、これが日本酒の美味しさを引き出す秘訣です。こうして出来上がった日本酒は香りが高く、雑味が少ないためとても飲みやすくなります。
数値的にはやや辛口だが旨み、甘味をしっかり感じ、切れの良いお酒が私の考える良いお酒の条件です。

ーー最後に、佐藤さんの地酒に対する思い、伝えたいことを教えてください。

佐藤:地元の滋賀県に軸足を置いて、地酒が末永く定着するように思いを込めています。
また、地元の魅力を一緒に世界へ発信していく姿勢で取り組んでいます。他府県から米原市にお越しの方には、地域限定「花乃伊吹」を味わっていただきたいです。
米原市のみなさんには、県外に手土産として「花乃伊吹」をお持ちいただき、米原市の魅力を人と人との繋がりを通して発信していただけたらと思います。

取材後に感じたこと

今回、佐藤さんのお話をお伺いして感じたことは、自分たちが生まれ育った場所には、特別な思いがあるということです。地元の風土や慣習など自分たちにとって、とても大切なものを守りながら、発展させる力強さを感じました。
私たちは、大人になって改めて故郷のありがたさや、その良さに気づくことが多いのではないでしょうか。加えて、佐藤さんのお酒づくりに取り組む真っ直ぐな姿勢には、人のこころを引き付けるものがあります。

地域限定ふるさと米原の味「花乃伊吹」には、米原市の取り組みに関わる全ての方の大切な思いが込められています。「花乃伊吹」は、米原市内のお店で購入することができます。また、ふるさと納税の返礼品として取り扱っています。
12月中旬には、数量限定で今年収穫したばかりのお米で作った新酒しぼりたて「花乃伊吹」が販売されます。2024年の新年を迎える時に、あなたの大切に思う人と一緒に味わってみてはいかがでしょうか。

次回は、「花乃伊吹」の酒米を育てておられる中川さんの取材に行ってきます。
どうぞ、お楽しみに!

中川さんへの取材記事はこちら

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米原市 まち整備部 シティセールス課
ふるさと納税担当

〒521-8501 米原市米原1016番地
TEL:0749-53-5140
|受付時間|8:30~17:15 (土曜日・日曜日・祝日および12月29日~1月3日を除く)

事業所のご案内

佐藤酒造株式会社
〒526-0805 滋賀県長浜市榎木町979
http://www.nagahamanosake.com/

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