“一生使える”最強ダウン「ナンガ」は滋賀・米原で生まれ、工場見学で見えた高品質なワケとブランドのこだわりとは
みなさん、こんにちは!
米原市のふるさと納税リポーターののだちゃんです。
今回は、工場見学シリーズ第三弾。
滋賀県米原市のふるさと納税返礼品人気ナンバーワンで、羽毛にこだわるダウンメーカー「NANGA(ナンガ)」の工場見学へ行ってきました!
目次
こんな人にオススメ!
● 国産ブランドの商品が好きな方
● 機能性も品質も高いダウンをお探しの方
● アウトドアが好きな方
近江真綿布団の産地から生まれました
滋賀県米原市は真綿布団の産地として古くから知られており、現在でもその技術力を生かした布団製造が市内には根付いています。
そんな歴史ある米原で、1941年から真綿布団の縫製を請け負っていたことから、その技術力と知識力を生かして徐々に事業拡大へ。1995年より株式会社ナンガへと社名が変わり、メイドインジャパンのものづくりを追求し続けています。
「ナンガ」の名前はヒマラヤ山脈にある「ナンガ・パルバット」に由来しており、“困難だからこそやってやろう、みんなが登らんとこを登ったろう”という挑戦することへの思いが込められています。
社員数は2023年10月現在で160名に迫るほど!外国人の技能実習生が全体の8割を占め、20〜30代半ばの方々が多く活躍されています。
効率重視で、丁寧に忠実なものづくり
米原市本市場にある本社工場にて、生産管理担当の林さんに工場内をご案内いただきました!
林さん(以下、林):本社工場ではハイギアと呼ばれるダウンジャケットやシュラフ(寝袋)などを中心に製造しています。まずは1階から見ていきましょう。
林:1階では裁断を中心とした作業を行っています。
ここではまず、延反機を使って生地を真っすぐにのばしつつ、裁断するために生地を重ねていく工程から始めます。
林:いま延反機でのばしている生地はナイロン素材。このナイロン素材の場合は1度に10枚程度重ね、データで制作した型に合わせてまとめて裁断を行います。
ここで裁断された生地は、ダウンジャケットの表地から羽毛が出てこないよう中にダウンを包んでおく「ダウンパック」の生地として使用します。
ーーナイロン以外にはどんな生地を裁断していますか?
林:当社が独自で開発したオーロラライトなどの主要生地のほか、コラボ商品に使用している生地などもこの場所で裁断を行っていますよ。
林:では続いて、メイン工程となる2階をご案内します。
ーーここではどんな作業が行われていますか?
林:2階では、1階で裁断した生地の縫製・羽毛の吹き込み作業、そしてアフターケアの対応まで、すべて手作業で行っています。作業としてはサンプル班と量産ラインの全部で4つの生産ラインで構成されています。
サンプル班について
林:サンプル班は10名の職人で作業を行っています。
ーーなぜサンプル作りが必要になるのでしょうか?
林:このサンプル作りを行うことで、1つの商品が完成するまでの所要時間や必要材料が把握できるようになります。効率よく製造できるようにするための非常に重要な工程になります。
サンプル班の担当者は1人で1つの商品を製造しながら時間を測り、なにが必要で不要か、どうすれば改善できるのかを共有しデータ化しています。そうすることで生産効率の改善にもつながりますし、何より製品の精度を高めることにつながります。
量産ラインについて
林:量産ラインはジャケットA班・B班、シュラフ班で分かれており、ジャケット班は約15名で縫製を行っています。サンプル班とは異なり、部位ごとに専属で縫製作業を進めていきます。専属で縫製することにより、アイテムごとのばらつきを減らすことができます。
ジャケットの場合、腕や前後の身頃、ポケットなど全部で34個のパーツが必要となり、1着を仕上げるのに最低でも10人は必要になります。
ーー1日で何着くらい仕上がるのでしょうか?
林:商品にもよりますが200着くらい仕上がります。他社の工場だと1社に10名くらいの職人で1着を仕上げるので、製産本数としてみると国内では多い方だと思いますね。
羽毛の吹き込み作業
林:量産ラインの工程で行う吹き込み作業は、計量した羽毛をダウンパックの中に詰めていく作業になります。かくはん機に入れてたっぷりの空気で羽毛をふっくらさせた後、掃除機のように羽毛を吸い上げて空気を使ってダウンパックに吹き込みます。
吹き込み口を抑えながらの作業となるので結構力が必要で大変な作業になります。
ーー1階で拝見したナイロン生地はここで活用されるんですね!
林:そうなんです!この束が羽毛を入れる前のダウンパックなんですが、この白い生地の部分が1階でご紹介したナイロンになります。
取材時は吹き込み機2台が稼働していましたが、繁忙期には5台フル稼働で頑張っています。
ーーナンガさんで使用する全ての羽毛は羽毛加工メーカー「河田フェザー株式会社」で洗浄加工されているとのことですが、この会社の決め手は何だったのでしょうか?
林:河田フェザーさんを決めた理由は、精製技術の高さと羽毛の精製に適した環境でした。実際に現地へ見学にも行かせてもらったりしたのですが、その技術力は国内一の品質を誇っていると感じています。
ナンガで使用している羽毛についてはこちら:
https://nanga.jp/knowledge/about-the-down/
命をいただいているからこそ、永久保証の確立へ
ーーナンガさんは永久保証に対応していると伺いました。
林:ナンガのシュラフ(寝袋)は、期間を問わず永久保証の対象としています。保湿性がバツグンな羽毛は、丁寧に手入れをしてあげると半永久的に使えるんですね。当社としては、サービスのひとつとして永久保証を提供しているのではなく、地球環境を守る点から見てもとても大切なことだと思って行っています。
また、水鳥たちから命をいただいているからこそ、永久保証のナンガとして確立させていったと感じています。
ーージャケットなども修理してもらうことは可能でしょうか?
林:永久保証の対象はシュラフのみとなりますが、ダウンジャケットを含めた各種ナンガ製品のアフターケアにも対応しております。お気に入りの1着を長くお使いいただけるように工場で職人さんたちが修理を行っています。
2023年の限定モデルについて、生産担当者さんにおすすめポイントを聞いてみた!
林さんのご厚意に甘えて、2023年発売の限定モデル「オーロラダウンジャケット イブキ」「オーロラライトダウンジャケット ミカミ」を紹介いただきました!
ーーこの2商品を作るきっかけはなんですか?
林:社名の由来であるナンガ・パルバットにちなみ、滋賀県の高山の名前をお借りして名前をつけました。滋賀県の名峰に伴うような商品作りを目指そう!という思いが込められています。
「イブキ」は滋賀県最高峰の山である“伊吹山”から。「ミカミ」は野洲市にある近江富士と呼ばれている“三上山”から名付けました。
ーーなるほど!“名峰にともなう商品作り”という点ではどのような部分にこだわって作られたかお聞きしてみたいです!
オーロラダウンジャケット イブキ
林:「イブキ」では3つの品質改善を行いました。
1つ目は3層構造+化繊綿への変更。更なる保湿性を高めるために、ダウンパックと裏地の間に化繊綿を入れています。
林:2つ目に袖パーツの追加です。人が肩の力を抜いた時、腕は関節に沿ってゆるやかにカーブしますよね。この体の作りに沿って、ひじの部分にパーツを追加しました。
2021年モデルでは腕の部分がストレートに作られていたことで、肩の羽毛がつぶれることがありましたが、ひじ部分にパーツを追加することで羽毛のつぶれも軽減できるようになります。
林:3つ目は内生地にサイドパネルを追加しました。位置としては脇腹あたりになります。このサイドパネルを追加する時に、後ろ身頃のキルティングとずらして縫い合わせています。
ーーずらすことでどのような効果が生まれるのでしょうか?
林:ダウンジャケットには「コールドスポット」という、縫製による縫い目(針穴)から冷気が入り込み、中の暖かい空気を逃してしまう部分があります。通常のダウンジャケットは、ダウンとダウンの間にキルティングがあるので、この縫い目の針穴がコールドスポットとなるのですが、ずらすことでダウンとダウンの間のキルティングが軽減され、冷気が入りにくい仕様になりました。
オーロラライトダウンジャケット ミカミ
林:ミカミも3層構造で作られているのですが、イブキについているサイドパネルはありません。
しかし、内部構造から使用素材まですべて高品質なアイテムを使用したことで、暖かい空気を逃がさないジャケットに仕上がりました。
ーーイブキとどのような違いがあるのか、教えてください!
林:先ほどイブキと同じ3層構造とお話しましたが、ミカミには同じ3層構造でも「ボックスキルト構造」を採用しています。
ボックスキルト構造は寝袋にも用いられる構造で、保湿性が高いのが特長です。
ボックスキルト構造について:
ダウンの保温性能を活かすために最も効率的な方法。表地と裏地の間に通気性のあるメッシュを配置し片寄りを防ぐために縦横にボックスを設定しています。(引用元:https://nanga.jp/knowledge/about-the-material/)
林:この写真の生地がメッシュ。メッシュを挟むことでコールドスポットを無くすことができ、ダウン内の暖かさが逃げません!ミカミでは、心臓から上の部分にあたる箇所にこの構造を採用しています。
そして、生地も寝袋と同じナンガ独自開発の生地「オーロラライト」を使用しているため相性抜群です!
林:羽毛には「SPDX」と呼ばれる、ポーランド産ホワイトグースを国内洗浄したもののみを使用した最高級ダウンを使用しているため、保湿性もさらに高まります。
このように、ミカミは構造面での機能性と高品質な素材で仕上げられたジャケットになります。
さらなる頂を目指した、ブランドの今後の挑戦
本社事業統括チームの田中さんにお聞きしました!
ーー今後、ブランドとして挑戦しようと考えていることはありますか?
田中:ナンガは2023年に入ってから京都・仙台・北海道と3地域での実店舗をオープンすることができ、現在で8店舗となりました。ブランドとしては国内での展開ももちろんですが、海外出店も視野に入れて挑戦しています!取材当日も横田社長はニューヨークへポップアップストアの出展に行っているところです。
人事担当の視点からすると、店舗拡大を視野に入れた若い世代の人材確保にも力を注いでいきたいと思っています。ナンガは製造の上流から下流まですべてを見ることができるので、大手のメーカーでは味わえないスピード感と、地域ファクトリーの良さが実感できる場所だと感じますね。
ふるさと納税としては、滋賀県のメーカーとして地域貢献する思いで登録に至っていますので、ナンガ商品の良さとともに地域の魅力も発信できたらと思っています。
ーー羽毛商品メーカーとして、創業当時より受け継がれてきた裁縫や羽毛を取り扱う職人技術、創業当時からの商品への熱意や思い、こだわりを目の当たりにすることができました。
世界に誇れるNANGAブランドをこの記事を通じて米原市から発信していければと思います!本日はありがとうございました!
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